天才と狂人は紙一重。【評伝 小室直樹 上・下】

天才と狂人は紙一重。【評伝 小室直樹 上・下】

皆様、こんばんは。

東京への里帰りからはや2週間。
今日は、シマジ推薦図書をご紹介したいと思います。

ご紹介するのはコチラ!

小室直樹とは?

小室直樹氏とは、日本の社会科学者です。しかし、一言で「社会科学者」と片付けることはできず、如何にすごいかというと、数学を基礎とし、心理学、人類学、社会学、政治学、法社会学に精通する、レオナルド・ダ・ヴィンチさながら「万能の天才」と評するのが個人的にはしっくりくるのかなと思います。

内容

本書は、小室直樹氏の生涯と氏に関わる人物達との交流の様子、彼の人物像、思想、研究した学問の一端(高等過ぎて理解が困難ですが(笑))について書かれています。特に教育についての見解については誰と問わず必見です!

所感

読了後の感想としては、実際にお会いして話してみたかった(氏は2010年に78歳(正確には77歳)他界されています)本を通じてですが、小室氏のひととなりが伝わってくるようでした。

やはり、天才と呼ばれる人は極端で、普通の人はいないなと(笑)。

学問探求という一点いおいては尖りに尖り過ぎているのですが、私生活については猫と酒を愛し”世間的なごく一般的な”生活スタイルと比べるとボロボロの状態。逆にそれが氏の魅力であり、周りに放っておけないという保護心を抱かせていたのでしょう(笑)

前述のとおり、学問においては比類なき人であり、一芸を究れば諸芸に通ずではないですが、
あらゆる学問を通して、小室氏には社会の全容が理解できていたのだと思われます。

特に教育における見解は凡人の私でもなるほどなと納得しました。
個人的には日本の国力衰退の原因は戦後のGHQの政策で戦前の教育が崩壊したことにあり、
結果として、均一化され全体の水準は高くなったかもしれないが、それ以上でも以下でもなく、尖った才能を持った人間が出づらくなったからではないかと考えます。

下巻で奇跡を起こす教育について下記の重要な3要素についての解説がありますが、これは是非読んでいただきたい!

・立志コムプレクス
・行動的禁欲
・最良の甘え

とにかく本書については私が最近読んだ作品の中では間違いなく名著です!
是非ともご一読いただくことをオススメいたします。

それでは、今日はこの辺で!